賢くキャッシングするためのセラピー④

時間不整合性のつづきです。(ちょっと複雑な内容ですがじっくり読めば理解できます!)

ところが、人間という動物は、どうやらこうした比較の仕方をしていないらしい、ということが、最近の研究によってだんだんと明らかになってきたのです。

そして、「双曲割引」と呼ばれる別の計算方法のほうが、ある種の人間の嗜好・性癖を上手に説明できることがわかったのです。

ここでは、双曲割引を「少し先のことを割り引くときに掛け算する数と、間近なことを割り引くときに掛け算する数とが違う」という簡易版の形で解説します。

例えば、あなたは来年の利益には0.6を掛け算して割り引くが、それより先のことには0.8を掛けて割り引くとします。このとき、2008年に手に入る10万円と2009年に手に入る15万円のどちらをあなたが選ぶかを考えてみましょう。

まず1年後の2008年時点でのあなたの意志決定を見ておきましょう。

2008年現在の翌年2009年に手に入る15万円の現在価値は15×0.6=9万円。

これはこの時点で手に入る10万円よりも少額だから、あなたはこの時点での10万円のほうを選ぶでしょう。

ところが、2007年時点の判断はこれとは異なっています。来年である2008年の10万円の現在価値は10×0.6=6万円、再来年である2009年の15万円の現在価値は15×0.8×0.6=7.2万円。

したがって、2007年時点でのあなたは2009年の15万円を待とうと決めているはずです。

もしもあなたがこのような双曲割引を心に巣くわせているなら、あなたの行動は外部にはひどく「だらしない」ものに映ることでしょう。

2007年には2009年まで待って15万円をゲットする、と宣言しておきながら、2008年になると前言撤回して10万円に手を出してしまうから…です。